奈良クラブを見守る新米サポーターの日記

大阪在住、奈良クラブサポーターの観戦メモ。2019年から応援しています

後半88分・相手キーパー一発レッド(疑惑)の解説(2023年第5節/アウェーFC今治戦)(085)

変更履歴

23.4.4 公開。「ジャッジ・リプレイ(#6)(同日AM6:00公開)」は見てない

23.4.5 間違ってる箇所を訂正しました(赤字の部分)

23.4.8 ジャッジ・リプレーの動画・記事を追加

問題のシーン

前提

青がFC今治、白が奈良クラブの選手

今治のコーナーキック→奈良クラブGKがセーブ→カウンター

後半88分で同点

FC今治の選手は全員奈良クラブ陣内にいる(GK以外、カメラに全員映ってる)

 

プレー解説

GK・15岡田がセーブ。ゴールかの判定は微妙。

この時点で今治19パク・スビンだけが自陣(手前側)を向いてる。

プレーに絡むのは、囲った3名。

7桑島、19酒井達磨、今治19パク・スビン

酒井達磨は、セットプレーでは高い位置に。

速攻要員なので、真っ先にスタートします。

この時点で、パク・スビンと同じ位置。スプリント勝負だ。

 

追記(23.4.5)

今回はオフサイドラインがない(今治選手が全員敵陣にいる)ので、

すぐにボールを出せばオフサイドなし。

パスの瞬間に達磨が敵陣にいれば、オフサイドになる可能性があります。

 

その場合、パク・スビンとの位置関係が問題に。

 

今治の選手が副審(画面右側に見切れてる)を向いてアピールしてる。

15岡田・8堀内がカウンターアタックの方向を指示。

そして7桑島が反応。

 

大きく”あっち”を指さしてるのが8堀内。

1コマ前はどこで何をしているか?上にスクロールしてご確認ください。

判断が速くて正確。

15岡田がアンダースローで転がします。

まだ副審を向いてるやつが多すぎる。

中は酒井達磨がパク・スビンと1:1。

通ればビッグチャンス。

奈良クラブの選手は誰もついてきてない。

 

桑島は前向きのプレー(マーク2人の間を抜くスルーパス)を選択。

2人の間は空いてるし、2人とも背走しててボールにちゃんと対応できない。

通った。

達磨の奥、バックスタンド側。ボールを確保できそう。

相手GK・31セランテスが出てきた。

達磨は開いてボールを回収(パスはちょうどいい強さか、少し弱かった)。

この位置をよく覚えておいてください。

 

19酒井達磨、31セランテス、19パク・スビン

達磨が先にボールタッチ。

キーパーを交わしたらゴールがガラ空きだ。

ボールタッチで交わした瞬間

ファールの瞬間。

30セガンテスがアフターで手を使って止めて、倒した。

ラフプレーだけでイエローが出ます。

 

レッド・イエロー

DOGSO(=Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity」

決定的な得点機会の阻止であれば、レッドカードです。

D=Denying(阻止する)
O=Obvious(決定的な)
G=Goal S=Scoring(得点する)
O=Opportunity(機会)

判断基準としては4要件(実際は5要件)。

1 反則とゴールとの距離
2 全体的なプレーの方向
3 ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
4 守備側競技者の位置と数

ファールと得点機会との関係が問題なので、

反則の悪質性(ラフプレーの度合いが酷い)は関係ないです。

 

ラフプレーでない戦術的ファールがイエローになるのと

(ラフじゃない=通常のファールのはずだ)と同じ関係です。

 

DOGSOの4要件の適用

1~3は概ねOK(90~100%)。4が?です。

1 反則とゴールとの距離

相手陣内、ボックス手前なので100%OK。

2 全体的なプレーの方向

相手キーパーを抜いたタイミングでは、ゴールでなくコーナー方向に向いてる。

人によっては80%くらい。

3 ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性

先にボールタッチしてて、ボールに追いつけばキープできる状態。

100%OKか悪くても90%くらい。

4 守備側競技者の位置と数

相手19パク・スビンが、達磨とゴールの間にいる。

この評価は分かれる。正直どっちでも正解。

・守備者がこの場所にいるのを重視→レッドでない

・守備者はフィールドプレーヤー、キーパーではない。

 ディフェンダーが同じ事をしたときとは重大性が違う→レッド

7:3でレッド相当

レッド相当だけど、30%の確率でイエローだと感じました。

 

現役レフェリー、レフェリー好きの人でも

レッド/レッド寄りのイエロ-(=100%イエローではない)という人が多いと思います。

ファールの瞬間、赤が主審・副審。

ファールの存在、プレーヤーの位置関係は、主審・副審両方から見えてます。

 

審判の位置関係の問題で「現場が見えてない場合」もある。

現象を見落としたなら、ミスジャッジ。

見えてて別の判断をしたなら、解釈の違い。

 

イエロー判定に不服な人は多いでしょうが、今回は解釈の問題です。

ファクトは(おそらく)正確に把握しています。

 

「審判がそう言うなら仕方がない」

「直後のフリーキックで点を取らなかった方が悪い」

ジャッジリプレーの判断(23.4.8追加)

クリックすると、該当部分(FC今治vs奈良クラブ)に飛びます。

結論はこんなの。

 

・DOGSOでレッドカード

・キーパーがいない=「ゴールがらあき」という判断

・酒井達磨のトラップはゴール方向へ。コントロールできてる

・主審のポジショニングが悪い

動画の要約記事。

まとめ

何度見直しても、面白いシーンです。

面白かったので3時間くらいかけて1本の記事にしました。

(今治旅行記は別の機会に)

 

カードの色、得点の有無、勝敗はもちろん大事だけど、

細かい判断をすべて正解・成功させ、決定機を作り出した選手達に拍手です。

 

年に1回の鮮やかな攻撃。できれば決めたかった。

19酒井達磨

CFであんだけ削られてて88分に全力スプリント&キーパーを交わした

あのシーンの達磨、凄いんですよ。本当に。

ゴールを決めるよりずっと難しいかもしれないプレー。すごいすごい。

 

15岡田慎司 

シュートブロック(後述)も最高。速攻を選択したのもボール出しも最高。

一連の速攻は、岡田がすぐ立ち上がって前を向いてるのが前提。

 

それ以上にすばらしいのが、チーム全体の意識。

後半のFC今治の猛攻。しのいでしのいで、最後の大ピンチを乗り越えて

最後までチーム全体で攻める姿勢を貫く。格好いい!

8堀内颯人 桑島を指さして指示した

堀内の明確な指示がないと成立しません。

判断が速くて正確。ほとんど動いてないけど、最高のプレー。

7桑島良汰 速攻への反応が早い。スルーパスも絶品

地味だけどあのスルーパス、結構難しいぞ。

 

決まってたら、岡田・桑島への試合後の拍手はなかった。

大ブーイングで今治を去ってた。

 

あと、今治19パク・スビン。

真面目に戻って、中を絞って達磨を外へ追い出した。

キーパーが達磨と1:1になった時点でも位置取りが◎。すばらしい。

 

というかこれが普通や。

抗議してた人間があと1~2人戻ってたら、すべてが解決してた。

 

ゴール・ノーゴールの判定は覆らないのに、なんでそこを頑張るの?

そういうとこやぞ。そういうとこ。

 

おまけ:ゴール・ノーゴールの判定

「今回のカメラアングルでは分からない」が答えです。

ラインの内側にボールが完全に入ってるか。

真横から見て、ゴールポストとボールの間に何か見えるか…で判断します。

ゴールの最終決定は主審(左の丸)がしますが、

ボールが完全に入ってるかは判断できないので、

副審(右の丸)の判断を(ほぼそのまま)採用します。

左側(青の選手:隠れてる)がシュートを打った選手、

右は加藤徹也(オフサイドの基準)です。

 

副審はオフサイドラインの線上にいるので、

ゴールライン上には立ってません。(×ゴールラインと並行には、から訂正:23.4.5)

サイドライン上、2mくらい手前の位置にいます。(赤字部分を追記:23.4.5)

ゴールラインと得点の判定

ゴールラインと得点の判定|サッカーの箱

 

この絵の真ん中/右側のボールを、副審は右下から(斜めに)見てます。

その場所から「ボールがゴールラインに完全に入ったか」判断をします。(23.4.5追記)

 

「本当にそれで分かるのか」と言われると

「ずっとそうやって判断してきた」「そういうもんなんだ」という回答です。

自分の席からは、こういうアングル。もっと分からない。

 

毎回、ゴールラインの線上からゴール判定をしてるわけじゃありません。

 

もしゴール・ノーゴールの判断をするなら、

真横からの映像が別に必要です。今回のDAZNの映像(赤字部分:23.4.5追記)では分かりません。

「ミスジャッジが明らかだ」と判断する、別の証拠が出てこないので

審判の判定「ノーゴール」が正解。

 

おしまい。