初めに
「東大阪花園ラグビー場でのサッカー」に興味がないので、いつもよりテンションが低めです。
花園とプライフーズスタジアム(八戸のホームスタジアム)は極端にピッチ状態が悪いので、パスサッカーは無理です。完全に別の競技と割切って、花園専用の新しい戦い方を練習しないといけませんが、そんなのに時間をかけるくらいなら、0-0引き分けで上々、他の36試合で勝点を稼ぐのが一番だと思います。
たとえそれがダービーであっても、観客が6459人来ても、です。
(幻の)得点シーン
嫁阪のヘディングがゴールに入りましたが、百田がオフェンスファール(キーパーのブロック)を取られ、ノーゴール。奈良クラブサポーターの大多数は「最初に注意してくれ」「いきなりファールを取るのは酷い」と思っているでしょう。
焦点は、主審と選手のコミュニケーション。今回はDAZNが必須です(Youtubeのハイライトには入ってない)。
18:36 スタート
18:44 主審と鈴木大誠が会話(中身は不明)
19:00 主審が両拳を腰の辺りにつけるしぐさ→「進めてください」か「掴むな」の意味(あまり見ないジェスチャー)
大事なのはこの後。相手2、6、19が17百田を指さして「あれはファール」のジェスチャー→主審が相手2と目を合わして、うなずく(ちゃんと見てますよの合図)
19:04 相手キーパー、相手33が百田を指さして「ファール」のジェスチャー
19:20 賢星がCKを蹴る
3澤田がニアサイド、17百田がキーパー正面に立ち、動きを制限。近くに20國武もいます
19:21 39嫁阪がヘディングした直後にオフェンスファールの笛
審判がFC大阪のキーパー指さし、ファールの箇所を示す。キーパーはサムズアップ(親指を上げる)
「いきなりファールを取った」わけでないのが分かります。実際、明確なファールプレーですし、ノーゴールの判定は正しい。
私も「主審から、事前に、はっきりと分かるように注意して欲しかった」と思います。「相手選手のファールアピール」と「主審からの注意」は違います。相手のアピールは、ただ牽制してるだけの時も多いですし。主審から奈良クラブ側への働きかけが少なかったので、奈良クラブの選手は「注意されてる」とは思わなかったでしょう。
さて、さっき「明確なファールプレーだ」と書きましたが、何度も見直すうちに違う景色が見えてきた。ブロック役・百田が動けないよう、FC大阪のフィールドプレーヤーが囲んでブロックしてない?これ。
「キーパーの前に一人立たせる」のは戦術として毎試合やることなので、問題はない。今回も、立ってたのは百田ただ一人。「ブロック役=存在自体がファール」じゃない。配置はブロック目的でも、キーパーと接触したり他プレーヤーを倒さない範囲で、「得点のための動き」をやればファールは取られません。
図解するとこんな感じ。百田が3人に囲まれて動けてなくて、プレーを始める前にキーパーに倒されてる。そのあと、普通にボールにプレーしてたら、ファールじゃないぞ。これってPKじゃないか。
※配置はデフォルメしてます。FC大阪側の番号は適当です。
映像でご確認ください。
オフェンスファールは、何度も巻き戻してファールの理由を探るという作業は、絶対必要です。ですが、見れば見るほど分からなくなります。
オフェンスのファールとディフェンスのファール(=PK)は裏表の関係で、セットプレーのファール基準がよく分かります。また、セットプレーはファール覚悟の設計もするので(ブロック役とか、飛び込む役とか)、ファールを含めて分析する必要があります。
ここの研究はサッカーフリークのごくごく少数しかやってないと思います。まともな説明を聞いたことがないので、勉強すれば勉強するだけ、差がつく分野です(塾の宣伝みたいだ)。なんにせよ、サッカーは奥が深いです。
試合内容
— th (@yikc3760) 2024年6月5日
ゴール期待値は相手が2.5倍。キーパーの力で引き分けに持ち込みました。
グラウンドがボコボコなので、ボールが不規則にバウンドする。
島田拓海と1:1をブロック。守備が光ってた。
(スタッツの貼り付け分は、クリックして拡大してください)
パス本数が200を切ると「少ない」、150を切ると「むちゃくちゃ少ない」です。奈良クラブがボールを60%持てば、パスが350を越えます。
— th (@yikc3760) 2024年6月5日
— th (@yikc3760) 2024年6月5日
ピッチが悪く、いつミスをするか分からない→ずっと敵陣でプレーする→飛んできたボールに反応して、前に運ぶのを最優先。非常に合理的な戦い方です。大雨でぬかるんでるときも、同じ戦い方をします。
メンバーも、レギュラー(つなぎ優先の中盤)を外して、あまり出てない(コンタクト重視の?)選手に替えてた。
それにしても、FC大阪の選手は、どうやってこのピッチに順応してるんだろう(花園第一で練習をできるのは試合日だけのはず)
FC大阪のコンタクトプレー
FC大阪の「ファール狙い」のプレーは目につきました。ハーフラインを越えるまで(セットプレーにならないエリアで)は、ファールで潰して攻撃の芽を摘む。
ただこの潰し方は、去年うちがやってきたこと。自分がやるのはOKでやられると文句をいうのはアンフェアだと思う。愛媛FC、鹿児島、FC岐阜とか、ベンチもファンもむちゃくちゃ怒ってましたよ。ファール基準を厳しくして、プレーが続くようにしてもこちらが倒れてるからFC大阪にボールを取られる。基準を変えても結果は一緒だ。
コンタクトは体を当てる。足でプレーしてないからファールになる。足にはいかない。これなら変な転び方をしなければ怪我はしない。だからカードは出ない。正しい潰し方です。
そもそも花園のピッチ状態でパスサッカーは無理だし、スピードとフィジカルと反射神経で戦うのは合理的な選択だと思います。FC大阪も、決して恵まれたクラブではありません。さまざまな制約の中、結果をだしてます。好き嫌いはともかく、
監督が変わってもほぼ同じ戦い方をしてるので、これがクラブのアイデンティティです。
FC大阪はいわきFCを目指してると予想しています。どうでしょうか。
リンク集
(23.6.8追記)