現地観戦でした
3月上旬で18.9℃。絶好の観戦日和でした。
お客さんも多め(2835人:春先で3000人弱は多い)
春先の山雅戦といえば、23年のJリーグ昇格初戦を思い出します。
2点目、勝ち越しゴールの後。あとは試合を締めるだけだ。
ヒーローインタビュー。右が田村翔太、左が國武
得点シーン
失点(0-1)
今日のサムネイルは、エース菊井と抱き合う浅川隼人です。
山雅10菊井の先制弾のシーンから。クリアボールに対し
16奧田がつきますが、22佐相がうまく入れ違って前線へパス
この日も攻撃時は全員が敵陣へ。ラインがむちゃくちゃ高い。パスの直後、自陣には5大誠だけ
「ハーフウェイライン上で」CBとFWが2:2。5大誠が10菊井、22生駒が11浅川につきます
5大誠は、1)なるべく併走(きれいにシュートを打たせない)、2)なるべく時間を稼ぐ(見方が戻るのを待つ)、3)できれば相手をサイドへ追いやるのが目的。CBなので、スピードで負けるのは仕方がない
10菊井は、半身(50cmくらい)抜け出したタイミングでコースを少し内側に変えます。1)大誠の走路をブロックして減速させる、2)もし手か足で倒してくれれば、相手が退場になる、あたりが目的。
ドリブルのルートは、動画で確認してください。
5大誠の足が引っかかり、相手が倒れそうになったところ。5大誠は、同じ速さで走ってたら前に割り込んできた。倒そうとした、というよりは、相手がファールをもらいに行ってる。
大誠のさっきの目的(併走、時間を稼ぐ、相手をサイドへ追いやる)はできなくなった。
11浅川のコース取りもうまい
22生駒をブロック。ディフェンダーが追いつけなくなりました。もちろん、正当なプレーです。
そのかわり10菊井はパスする相手がいなくなりました。選択肢はシュートだけ。
ペナルティエリア内で1:1になれば、キーパーは前に出て、シュートコースを狭めにきます。もっと前に来てもいいです。
ハーフウェイラインからの独走ドリブルで得点。めったにみれないナイスゴールでした。もう一度どうぞ
得点(1-1)
5大誠から21戸水に縦パス。FW2枚(11浅川、10菊井)の間を通してます。
21戸水は後半61分から出場。「捕まりそうで捕まらない」プレースタイルですが、今は「割と捕まって」る状態で、プレスが来たら早めにボールを離してます。この試合、パスの起点になってましたが、そもそも山雅の選手が誰も捕まえにきてなかった。
75分過ぎの時点で、山雅の選手の足がほぼ全員止まってます。さっきのFWの2人もそうだけど、白で囲った3人も。
21戸水が、2ボランチ(15山本康、46安永)の間を通すスルーパス。23岡田優希へ
CB:4髙橋が出てきたのは、2人のボランチが動かないからです。4も足が動いてない(この10分ちょっと後に交代します)
23岡田優希→20國武。相手の44がCB、40と24がSBです。
この時点で、中が2:2。39嫁阪がいるので、ロングボールがいいかもしれない
(さっきパスを出した)23岡田優希がパスをもらいにきました。CB:44野々村が迎撃へ。44野々村も足が動いてないです。
40吉村がスルーパス。この時点で中が2:1。ボールを入れれば決定機
吉村のスルーパスが非常にうまい
相手44野々村が、体を入れてボールがゴールラインを割るのを待ちます(=ゴールキック狙い)。ラインのだいぶまえからこの体勢に入ると
しっかり追って体を入れ替えれば、もう一度ボールに触れます。コーナーキックを取るまでは、それほど難しくない。
「ボールが完全に出るまで(笛がなるまで)プレーを続けろ」、2022年のワールドカップでよく聞きました。今回は23岡田優希です。ボールを取って、ゴール正面にマイナスのパス
松本山雅:44野々村コメント
まずは個人として1失点目のところで入れ替わってはいけなかったし、あれがなければ流れが崩れることもなかったかもしれないです。(略)
自分の中では外に蹴ろうとしているところでの判断ミスでした。あそこまで誘う形は自分の中では悪くなかったので、一つの判断でゲームが壊れてしまうという責任はすごく感じます。(下線部は筆者)
確かに、蹴り出してコーナーにすれば終わります。ただ、山雅はずっと攻められてました。一度マイボールにして(頭と体を)休めたかったんじゃないか。
「センターバックを起点に、縦のスルーパスを2本通し、センターバック2枚を釣りだしてポケットを取り、マイナスのクロス。最後はヒールパスを決めて同点」
格好いいように書きましたが「相手がバテた」のがすべての原因です。判断ミスは頭の疲れ。体が疲れてるから頭も動きません。
17田村翔太のヒールシュート。試合後、知り合いのサポーターと話していても、21戸水と17田村翔太の話ばかりだった。あと2回くらいどうぞ。
得点(2-1)
山雅は見るからにバテてて、すぐに交代したい選手が何人もいたけど、前半12分にアクシデントがあり、交代カードを1枚(1回)使って、動きづらかった。
後半84分。ボールが展開した時点で、山雅の選手の足が止まってます。よその選手の名前を出して悪いけど、44野々村。
20國武がボールを回収してから、周囲の選手も含めて反応できてない。それ以前に、CBがボックス内でタックルに行くのはどうかと思う。もう一度どうぞ。
岡田慎司のセーブ
「この試合、良かった選手」を3人選ぶとしたら、1人は岡田慎司にします(あとは田村翔太と戸水)。
浅川のワンタッチシュートを岡田慎司がセーブ→ポストへ。手で触ってコースが変わり、ポストへ。よく触ったよなあ。入ってたら0-2、試合が決まってた。
感想
— acl (@yikc3760) 2025年3月4日
— acl (@yikc3760) 2025年3月4日
シュート11本、枠内7本、ゴール期待値1.70。なかなか見ない数字です。攻撃あるのみ。
最後まで走れる選手が増えた。17田村翔太、23岡田優希は、先発出場だけど、相手の交代選手に走り勝ってた。22生駒も最後まで頑張った。去年なら絶対バテてた。
山雅が前節から4バックなので、狙うのはSBの裏。前半は徹底してた。同点ゴールのシーン(後半75分)にCB2人が動けてなかったのは、前半でスタミナを消耗してたのも原因の一つ。
相手エース(14安藤)が前半7分に負傷退場(たぶん長期離脱)。これは痛い。去年の酒井達磨離脱くらい痛い。交代カードが1枚減って、ベンチは相当迷ったと思う。
山雅11浅川は…昨年終盤のシステム変更で控え(ベンチスタート)になってて、この試合もベンチスタート。今日がビッグチャンスでした。ただ、システムの調整ができなかったみたいで、14安藤用の戦術をそのまま11浅川に使ってて気の毒だった。
山雅の有料媒体を読んだあとなので、相手チームの事情が気になってしまう。詳しく書けないけど、選手のコンディションがかなり悪いようです。
Q,先程おっしゃっていた「押し込む」というところに関しても、キャンプからの積み重ねが発揮できたところでしょうか。
中田監督:そうですね、キャンプ選手たちからすると、ここまでやる意味があるのかといっていたようなトレーニングが本当に実ったというか、そんなゲームになったんじゃないかなと思います。
うちの勝因を一つだけ挙げるとしたら、タイキャンプの3部連。猛練習で培ったスタミナと根性。
今日のハイライト。リードしてる中での最後の交代2枚がFW。あくまでも引きこもるのではなく、前から行く。アディショナルタイムの松本山雅のCKで百田が前線に残る。去年は全員がゴール前にへばりついていたから余計に自陣にくぎ付けにされてた。…
— 濵田満🦌奈良クラブ (@hamada_naraclub) 2025年3月1日
ラスト15分。追いつかれるチームから、追いつくチームへ。去年との違いは、勝ちに行く姿勢。一三さんも面白い。
”ラスト15分の逆転勝ち”っていつ以来?
3回目でした。
98分間戦い抜いた気迫の勝利(2023年第36節/ホーム・SC相模原戦)(23.11.18)
失点 前半14分
得点 後半68分(酒井)、後半90+8分(西田)
逆転勝ちで完勝。上昇ムードで天皇杯へ(ホーム・FC岐阜戦)(2024年第14節)(24.5.18)
失点 前半45+1分
得点 後半64分(田村亮介)、後半79分(岡田優希)
どちらも、前半に先制されて後半に2得点。2得点ともラスト15分なのは初めてです。
「ラスト15分の決勝点」だと、あと2試合。23年ホーム岐阜戦(1-0、後半45+5分、浅川)、24年ホーム八戸戦(1-0、後半82分パトリック)も。全部ホームゲームだから、5試合とも見てる人がいそう。
”松本山雅戦”から2年
25年3月1日、アウェーサポーター800人。
23年3月5日、アウェーサポーター1500名。半減したのは「2回も来たし今年はいいや」かな。
2年経って、2年前の松本山雅戦のことを思い出すと「J2以下はローカルビジネス」だと思う。
テレビで見る娯楽(海外サッカーやMLBや他のコンテンツ)とはレベルは違うけど、「街のチーム」だから応援してる。生で見れる、応援出来るから、お金を払ってスタジアムに来ている。「下手だからJリーグなんか見たくない」人は、ここには来てない。
奈良クラブは監督と戦術は変わったし、選手も入れ替わった。2年前のエースは、あっちのクラブの選手になって、選手紹介ではブーイングをされてました。
クラブ全体を見れば、前進してるところ、改善した部分もあれば、そろそろ何とかならないかという部分もある。特定の要素(強い、いい選手がいる、スペイン流のサッカーが見たいなど)理由だと、5年10年と同じチームを応援していくのは難しい。本当にすごいチームは昇格するし、凄い選手は引き抜かれていきます。
劇的ゴールの陰で看板が
山雅1点目のシーン。囲った部分、ゴール裏看板(KCN 近鉄ケーブルネットワーク)に注目
奈良1点目、岡田優希のラストパス
その勢いでピッチ外に出て
そのまま突っ込み、看板が破損。動画でもどうぞ。改めて聞くと、歓声がすごい。
「看板に当たる」「看板が壊れる」って、ニュースやハイライトで何度も取り上げられ、すごく目立ちます。どちらかというと、スポンサーにとって美味しい出来事です。
奈良2点目のシーン。試合中、そのままでした。
いい試合でした。今回のエントリー(約4500字)を最後まで読んだ方は「KCNさん、看板を壊してごめんなさい」という内容のツイートをどこかでしてください。ではまた。
リンク集
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(25.3.15追加)
松本山雅の情報が無料記事で出ていました。いつもの練習場が使えない(天然芝の養生のため)から疲れが溜まってるそうです。