大地デビュー。勝てて良かった。
退場シーン
今回は判定の解説だけです。興味がない人はここでおしまい。最後に次回予告があるので、そこだけお読みください。
・やった行為が恥ずかしい理由
・それを擁護するのがもっと恥ずかしい理由
知ることに意味があると思います。選手を擁護する気はありません。
事象の確認
奈良5番がイエローを1枚もらっている(後半64分)
2枚目のイエロー(異議、後半81分)で退場
異議で2枚目、普通は出す?
イエローカードを出してからレッドカードを出すまで、間があった(=1枚出てるのを忘れて2枚目を出した?)
というのが前提(25.4.25 赤字部分を追記)。以降の追記部分はすべて、説明が足りてなかった部分の補足説明です
左奥の選手から、右側にクロスがきます。16奧田と沼津37が1:1
沼津37が転倒。競り合いではない
倒れた選手が16奧田を倒した。私はファールだと思います。ファールは取らずゴールキックに。
異議(1) (ファールした)相手選手→副審A1に向けて
異議(2) 副審A1を向いて。腕を下から上に上げるジェスチャー。
このジェスチャーは普通なら「人違い」なんですが、今回は「たしかに抗議はしたがイエローは出るほど酷くはない」の意味です。「副審に対して」抗議しているのはこの選手だけ。もう一度どうぞ。
結論
レッド(暴言:侮辱的な行動を取る)でいいと思います。
1.不自然な抗議
「あえて副審に抗議」
特に2回目の抗議(これは挑発のジェスチャー)
ファールはゴールエリアの角あたり。この位置は主審が見ます。副審はこの判定(「ファールではない」というジャッジ)にほとんど関係ありません。
副審が見るのは、1)メイン側タッチ付近で、かつ2)主審には見えないエリアです。主審が見える場所は主審に任せてます。
主審が少し遠いですが、人がまばらですし分かりやすい(ファール)プレーなので十分見えます。実際、岡田慎司は主審に抗議しています。
サッカーを見る専門の方、プレー経験がある方。選手が副審に向けて(異議2:大声+あのジェスチャー)をやってる光景を見た方はいるでしょうか。相手ベンチに向かって同じ事をやると乱闘になります。特定人に対してやるとどうなるでしょう。
おそらくこの選手の台詞は一言、二言。「それ違うやろ」「どう見てもファールや」のような内容を、ジェスチャーに対応する言い方で叫んだんだと予想してます。「何があったか分からない」と不満な人は多いでしょうが、音声と行動が中継にハッキリ収録されてなくてよかった。
2.意味がない抗議
・確かにファールプレーだが、あくまでファール。イエローカードは出ない
・攻撃側ファールとゴールキックでは、結果がほとんど変わらない
(ファールの位置がゴールエリアのすぐ横、再開地点が3~4メートルの違い)
・プレーの流れを重視してファールをとらない、は今季よくやってる
一番分からないのが、「同じ事象(ファール相当のプレー)に複数回抗議」してること。今季はファール基準が変わって、もう10試合目。ファール判定が「なんじゃこりゃ」なのを毎試合何度も経験してます。抗議して何になるんですか。しかも、仮に抗議が認められも、実益がほとんどない。
相手選手、相手チームへの抗議なら分かります。両足で挟んで相手を倒してるので、膝の靱帯を痛めます。とても危険なプレーです。
3.1枚もらってるのに
・警告(カード)対象となる行為があったかを真っ先に考える。
・軽減要因・情状酌量の要素はその次に考えることで、「イエローが1枚出てるから○○にカードがでない」というのは順番が違う
・2枚目イエローは基準を緩める(できるだけ出さない)という規則はない(が、そういう運用をしている人は多いと思う)
・この場面は、2枚目イエローを記録したあとにレッドを出してる。2枚目イエローとレッドを同時に出さなくても、競技規則上は問題ない。
非難すべきなのは「1枚カードをもらっているのに不用意な行動をした選手自身」です。1枚イエローをもらってる選手に二枚目を出した審判「も」批判する、なら分かります。「こんなんで退場にするなよ」はいつも思います。
DAZNには、この選手が副審と言い合う様子、ピッチから出る際に副審を人差し指で指さしながら抗議する様子も映っています。現場で納得できないのは分かりますが、審判を指さして大声で何か言う、それがどういう意味なのか、プロのスポーツ選手なら分からないでしょうか。
これが「自然な行為」で「ゲームキャプテンとして当たり前の行動」とは僕は思いません。科捜研や相棒に出てくる「そんなことをやる人ではなかった」と同じ台詞でしょうか。
該当する言動は、副審だけに向けてされてます。位置関係を考えれば、奧田と川谷以外には聞こえてません(他は神垣、岡田慎司くらい?)。他の選手は、当該選手がどういう発言をしたのかしりませんし、選手と審判団との応酬に反応してます。当事者(退場した選手、副審)以外の証言を聞いても意味がないですよ。
補足
退場となった選手が荒れていた原因は、1)結論が受け入れられない、2)主審の立ち位置が悪い、3)審判団が協議している時間が短く、副審が決めたと思われてる、あたり。すべての原因は立ち位置です。(25.4.28 赤字部分を追記)
ボックス内に入ってる沼津選手は、ゴール正面か逆サイド。主審は一歩目が遅れてるのと、サイドが違う。いるべき場所はこっち。遠いから説得力がない。主審が遠い→見えないだろう→副審が判断するはずだ。ここが諸悪の根源。
対象となった言動があったかどうか、それがどう解釈されるかは別の問題です。「Aを言ってない」なら副審へ抗議したくなるでしょうが、この選手が言ってるのはおそらく「Aを言ったけど、本当はBという意味だった」でしょう。副審は事象(Aという行動がありました)を伝えたら終わりなので、あとは主審の判断。
なぜ副審だけに抗議しているのかが分からない。
審判「団」
主審だけでピッチ上のすべてを見れません。そのために、4人の審判員でチーム(審判団)を作って動いています。カードを出せるのは主審だけ、笛を吹けるのは主審だけ。他の審判は笛を持っていないからで、役割分担があるので、チーム内で情報伝達をします。(25.4.25 赤字部分を追記)
よく見る「異議イエロー」は、「主審への」異議に主審がカードを出してます。今回のは、「主審以外の」審判への異議です。副審への、第四の審判への異議がカード対象であれば、別の審判が主審に事象を伝え、主審がカードを出します。
一連の行為を「線審がチクった」と認識する人間は、同僚への連絡をどうやって行ってるんでしょうか。てっきり「蔑視・リスペクト」の問題かと思いましたが、よく考えれば「線審」はもういません。今は副審です。主審が見れない、ファール・カード対象プレーを見るために、線審の権限を拡大して誕生しました。意味が全く違いますよ、線審と副審は。
「タッチジャッジ、オフサイドしか見れない””線審”が、できないはずの”カード・ノーカードの判定”をして、主審にカードを出させた」、そう考えれば、元発言をした人の中では、辻褄があってるのでしょう。実際は「副審が警告対象のプレーを見たので、主審に伝え、主審がカードを出した」、すべて当たり前の行動です。
副審「○○と言われました。異議で警告の対象です」
主審「分かりました」→カードを提示
「誰がどう見てもイエロー」なら、事象を確認したら、どの審判でも同じ判断をします。主審が決めたというか副審が決めたというかは意味がない。(25.4.28追記)
西水流(にしずる)優一さんは、1級登録12年目の40歳。副審でJ2に150試合、J3に7試合。ほぼJ2専任です。フィールドに立っている人間の中で(選手、主審を含めて)、現在の実力は一番上。メインスタンド側の副審はそういう(重鎮が)いる場所で、クソレフェリーや新米レフェリーは別の場所にいます。中継の(バックスタンドに向かって)右サイドのオフサイド判定はまともでしたよね?(25.4.25 赤字部分を追記)
主審の安川さん。J3昇格3年目(奈良クラブと同時に昇格)の若手レフェリー。三重の人です。分からないと思いますが、ものすごくちゃんとしたレフェリーです。奈良クラブより前にJ2に昇格?と思いながら、見てます。
退場になった選手へ
副審への異議でイエローが出るのも、キャプテンが異議で退場になるのも初めて見ました。
この選手は何かの形で謝罪した方がいい。(審判に対してではなく)チーム、スポンサー、ファン、サポーターに対して形式的に謝罪するだけで、具体的な説明は要りません。審判側からは絶対に反論が来ないので、自分に有利な話だけをするのでも構いません。説明がどういう内容であっても、彼を守ってくれる人はたくさんいるでしょう(赤字部分を追記、25.4.25。以下同じ)。
出場停止以上の制裁は必要ないとは思いますが、何もなかったことにして若者向けの講話を続けるのは人として違うと思います。
個人的な話です。自分がトレーニングマッチでファールスロー(=どうでもいいファール)を取ったり、クイックリスタートのポイント違いを指摘をするとき、言い聞かせていることがあります。「大した反則じゃないけど、大事な試合で同じ事をする前に注意しておこう」「一度失敗したら、次はできるようになる」
この選手は同種の行為を何度も行っていたのだと思います。「2枚目だから」という理由で見逃されるのでなく、「退場」という形で相応の罰を受けました。もちろん、選手本人は不本意でしょうが、せっかくもらった、反省をする機会です。この経験を自分の現役生活にプラスにするか、不当な判定だと反論し続けるのかは、本人次第です。年齢(来年で30歳)を考えれば、いまから変わるのは無理だと思います。
公式戦で起こった出来事でしたが、退場していたのは15分間。それも春先のプレッシャーのない時期。勝敗にも点差にも影響がありませんでした。昇格・降格のかかった11月に同じ事をやっていれば、チームにとって致命傷でした。勝てて良かったです。
一つだけフォローします。このプレーの1分前(78:41くらい)、シュートが当該選手の頭に当たり、そのあとふらついてます。異議を言ってからカードが出るまでも、表情や足取りが怪しい(各自見直してください)。脳震盪と軽度の熱中症が原因で当該シーンをよく覚えていない、戻ってからも興奮して支離滅裂な話を…と予想してます。
得点シーン
なぜ沼津ディフェンダーが棒立ちになってるのかが分からない
感想
気温28.7℃。夏場の試合、動かないサッカーになった。
中田監督REVIEW【明治安田J3リーグ第10節】vs アスルクラロ沼津|奈良クラブ
監督会見で「ボールを持つ」という話が出たのは初めて。今までは「縦に速い」がほとんど。試合中も、CBから「ゆっくり」という指示が出ていた。
— acl (@yikc3760) 2025年4月24日
DFが退場になるまでは、ゴール期待値が1.4対0.4。退場があっても勝てたのは、相手が沼津だったからです。
奈良クラブ戦 監督コメントについて | アスルクラロ沼津 オフィシャルサイト
監督会見が「質問:勝つ気あるんですか?」のアンサーのよう読めた。たしかに覇気がないし、ゴール裏から何か言われる試合内容だ。
次節はアウェー・鹿児島ユナイテッドFC戦
鹿児島戦までJリーグが中2週(=間に天皇杯予選)。DAZNで鹿児島の試合を見て、仙太郎さんをnoteを読んでください。J2・J3のブロガー(note作家)で一番分かりやすいです。奈良クラブ戦のレビューが楽しみです。
白波スタジアム(鹿児島ユナイテッドFCのホームスタジアム)は、この番組が取材に来てます。ユニフォームを着てる人全員に声を掛けて、サポーター(4人以上)の飲み会があると付いてきます。遠征される方は、番組向けのネタを用意していってください。
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