奈良クラブを見守る新米サポーターの日記

大阪在住サポーターの観戦メモ。2019年から応援しています

大黒監督”超攻撃的サッカー”の始まり(WEST-A 第3節:愛媛FC戦)(205)

初期フォーメーション

メンバーがだいたい固まってきました。新戦力へ少しコメント。今年の編成も上々です。

 

36石井は特に穴が見つからない。190センチの左利きCB、J1育成出身の22歳がなぜJFLに?36石井がが抜けると今のサッカーができなくなる(けど引き抜かれそう)。8吉田新が掘り出し物だった。ボール保持力はチームトップ3に入ります。平均点が高くてクロスが上手い。なぜリリースされたんだろう。

 

攻撃の基本戦術(レイオフ)

この試合、やたらと縦パスが通ってました。少年サッカーの本によく載ってる、「レイオフ」という技術です。

 

狙いは真ん中のエリア。センターサークル手前のスペースへ17田村翔か18後藤が下りてきて、そこへ縦パス。FWはワンタッチで落とし、10森田、8吉田、9富樫の誰かが回収、サイドへパス。

愛媛の守備フォーメーションは442。ショートカウンター主体で、高い位置でボールを取り、そのまま攻撃・得点を狙います。こちらのGK・CB(マルク、石井、佐藤)にプレッシャーをかけます。

 

1列目(38、27)が前に出ると2列目(70、22)も連動して上がります。2・3列目の間にスペースができます。そこに17田村翔が下りてきてボールを受ける。

 

何がいいかというと、パスのもらい手が動いてる(パスコースを作っている)のと、ディフェンス側からはFWが見えなくてフリーになっていること。パスを成功させるコツは、1)パスを出す側、2)パスをもらう側の両方がコースを作り、3)良いパスを出すことです。

 

前の4人(17田村翔、18後藤、9富樫、7田村亮)がセットで動くので、中盤でボールを取ったら(無理せず)一度キーパーに戻し、相手が出てくるのを待ちます。

もう一つ。下りてくるのはオフサイドラインぎりぎりから。上のピンクの位置です。オフサイドライン上で、裏抜け(敵ゴール方向に進む)タイミングで逆(下りてきてボールをもらう)に行くので成功します。

 

この試合で、すごく高い位置(敵陣センターサークル付近)でオフサイドを取られたのが何度かありました。どれも、レイオフする前にオフサイドラインより向こうに行ってしまいました。

例えば36:50くらいからの攻撃。下りてきた18後藤がワンタッチで10森田に繋ぎ、相手SBの裏へパス。シュートには繋がらなかったけど、非常にきれいな攻撃です。

18後藤(ポジションは2トップの右だと思います)がいないので、前は1人足りません。(ゴール正面の○にいてほしい)。よく見たら、クロスを上げるのがサイドバック8吉田で、サイドバック22生駒がフリー。17田村が○の位置に行って、22生駒は正面にあがるんでしょうきっと。

(大黒監督コメント)

―大黒監督が目指すサッカーの中でサイドバックは重要視しているなと感じますが、いかがですか?

サイドバックはとても重要で、鍵になるポジションだなと。(サイドバックの選手たちに)いろいろと提示して、キャンプからやってきて、いろいろとやってくれていますけど、まだまだ改善点はありますけど、(DF生駒)稀生には、そのうち得点が取れると言っていましたので、サイドバックがゴールを決めるというのは理想的というか、狙っていたので良かったと思います。(傍線部筆者)

奈良クラブ vs 愛媛FC – 奈良クラブ | NARA CLUB Official Site

ちなみに下りてきたフォワードは、ワンタッチだけ、「落とす」だけで、別の選手がボールをもらい、繋ぎます。この戦術には、ボールを拾う役と、前線と、1人ずつ要ります。選手を前に上げて(後ろを減らさないと)できない、攻撃的な戦術です。

対策はけっこう簡単です。2列目と3列目の感覚を狭めて、下りてくる2人(7田村翔と18後藤)に人をつける。ただこれをやると、愛媛はハイプレスができなくなるのとサイドが空くので、守備時間がだいぶ長くなります。ラインが上がる分、裏を取ったときの危険も高まります。前半27分くらいからこの状態でした。高い位置でマンマーク、たまに裏狙い。愛媛の4バックが消耗しそうです。

 

奈良クラブは対策への対策もやってました。キーパーからサイド(7田村亮、9富樫)へのフィードです。これも準備していたプレーだと思います。

(大黒監督コメント)

特に前半の途中ぐらいから、ちょっと相手のプレスにひるんで蹴り出したので、ハーフタイムに「そんなことをするんやったら、俺が監督をやる意味はない」、「ちゃんと練習でやっていることをやろう」と言いました。

【公式】奈良vs愛媛の試合結果・データ(明治安田J2・J3百年構想リーグ:2026年2月21日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

ハーフタイムに監督から指示がでて、後半開始~2トップ交代までは、17田村翔、18後藤のレイオフを続けました。そもそも「中央でレイオフを成功させる」のは、この試合を戦う前提です。

 

スペースが狭く、マークも付いたなか、二人とも体を張ってチームを支えてました。動きながら受けてる(CBと少し離れてる)ので全然しんどそうに見えませんが、しんどいです。それに落とした後、裏に走ります。攻撃の理屈が分かったあとで前半30分~後半最初の15分を見ると、「絶対にCFがレイオフを決める」という、チームの意志を感じます。選手は監督についてきてます。それと、むちゃくちゃしつこいです。この監督。

 

サッカーは、同じフィールドで同じ人数で戦います。戦術や陣形ごとに対策がだいたい決まっていて、少し勉強すると「準備したカードを順番に切る」ように見えます。「対策さても、同じ作戦をもっと頑張って対策を無効化する」シーンはあんまり見れません。

 

観戦時(現地にいました)は「今日はくさびのパスがよく決まるなー」とぼーっとみてました。こういうのに初見で気づけるようになるまで、あと何年かかるんだろう。

 

得点シーン

1点目

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狙いは「CBの前」と「SBの裏」です。空いてなかったので、一度キーパーに戻してからやり直してます。

 

2点目

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このパス(外側の選手にワンタッチでパスを出して、フリーでクロスを打つ)も、今季から組織的に導入してる。初戦で生駒が使っててびっくりした。

 

この攻撃、練習したよね?

試合を観た感想がこれ。オフェンスがほぼ攻撃練習です。J3ではまず見られない、洗練された攻撃。設計通りの崩し方、得点の仕方。一連のプレーは(ふつうなら)個人の能力(個人戦術)でやること。身に付けた選手はギャラが高くて、J3にいない。

現役時代から研究熱心かつ理論派で知られ、再現性のあるゴールパターンの指導法に定評がある。

【記事全文】J3奈良“大黒さま”が新監督! 元日本代表FWの大黒将志氏が就任へ、近日中にも正式発表 - スポニチ Sponichi Annex サッカー

監督就任時の記事です。この試合を見た人なら、意味が分かりますよね。組織的に攻めて、同じ崩し方、あとはフィニッシュだけ。ただし守備はアドリブ。

 

普通の監督は逆です。組織的に守って、攻撃は現場まかせ、これがデフォルト。

 

ここから3点取れ

(奈良・大黒監督)

今日は2点取りましたけど、それを5点ぐらい取れる、5点、6点と取れるチームにしていきたいです。

 

(熊本・大木監督)

ゲームは、セットプレーで点を取れたことはすごく良かったです。ただ、失点は簡単でした。もう少し考えなければいけません。

【公式】愛媛vs金沢の試合結果・データ(明治安田J2・J3百年構想リーグ:2026年2月15日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

前半から裏狙いとレイオフで、相手のディフェンスラインを揺さぶってます。おそらく最後の15分、動けなくなります。昨年、「タイキャンプ効果」で何度も見ましたよね?終盤に体力タイプのCFタイプを2枚入れてるので、あそこから1~2点いけました。

 

愛媛のスタミナが持ったのは、試合中に体力が回復したからです。保持率が60%を越えて、休憩してます。あのスタイルで50%を超えるのは、シュートを打たないか決定力がないか(シュート20本、ゴール期待値2.56:シュートは打ってる)。ボールを持ちたいようには感じなかった。こちらのクロス対応がダメすぎて、自陣での守備が終わらなかった。

 

失点シーン

youtu.be

youtu.be

 

守備をなんとかしてくれ

ならないと思います。セットプレー(の守備)と守備ブロックは、普通の監督なら最優先でやります。撤退時の守備(442ブロック:61:50くらい~)もいいかげんだったので、こっちも練習してません。

 

今のサッカーは「好きかどうか」と聞かれれば、あまり好きじゃありません。大黒監督は3-2で勝つか0-3で負けるサッカーをしてます。僕が好きなのは1-0と0-1が交互にくるサッカーです。

 

ただ、点は取れるし、見ていて面白いです。これをフルシーズンやられると怒りますが、しばらくは18試合のスポンサー付きトレーニングマッチ。最後の試合が、1試合目(0-6)からどれだけ成長しているか。

 

さて今回の「レイオフ」作戦は、前節まで一切やってませんでした(相手のライン設定と、こちらのSBの高さの問題)。というか、今治戦はどうやって点を取るのか分からなかった。変な説明になるけど今治戦は「ホームで先制点を取ったから勝てた」試合でした。

 

次節の高知は縦パス中心なので、元々陣形が間延びしてます。偽9番を使わなくてもライン間でボールを受けられます。36石井がはね返すところから攻撃が始まる、今治戦みたいな展開になると予想してます。

 

1週間かけて、まだ見ぬ攻撃スタイルを組み立てるのか、セットプレー守備が急に直るのか、次節のお楽しみ。最後まで読んだ人は、コメントで励ましてください。

 

参考

奈良クラブ vs 愛媛FC – 奈良クラブ | NARA CLUB Official Site

クラブ公式の監督コメント。Jリーグ公式に載ってない話が書いてるので、こっちも読もう。

 

(レイオフの参考動画)

www.youtube.com

ソース→

【公式】奈良vs愛媛の試合結果・データ(明治安田J2・J3百年構想リーグ:2026年2月21日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

www.football-lab.jp