奈良クラブを見守る新米サポーターの日記

大阪在住サポーターの観戦メモ。2019年から応援しています

3点差をひっくり返した”大黒マジック”の正体(プレーオフラウンド第1戦:大分トリニータ戦)(212)

ハーフタイム修正

前半が0−3。ハーフタイムに1人交代して、後半・延長で4得点、逆転勝ち。

 

そこだけ見れば「交代策が当たった」となりますが、話は単純というか、もっとしょうもない話です。

 

これが試合開始時の布陣。

説明の前提になりますが、前半の結果(0-3)を見て、どう思いましたが。

 

「サイドの連携で崩されたが、他は相手の個人技。さすがはJ2」

「相手がJ3なら、0-1だっただろう」

「内容は悪くない。後半は1~2点取れるだろう」

考えていたのは、こんな感じです。前半で0−3といえば開幕戦(徳島戦、0-6)と全く同じ。内容が全然違います。

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ハーフタイムで1枚交代。22生駒を投入して、サイドバックの位置を調整します(他も立ち位置を変えてます)

 

狙いは相手の72番。大分の中盤3枚のうち、唯一動ける選手です(他の二人は50分の時点で動けてない。というか試合開始時からどちらも運動量がひどい)

22生駒は、相手72の裏に立たせてます。2高畠の立ち位置よりも内側にいれる、偽サイドバックというやつです。普通のサイドバックと立ち位置が違うので、誰がマークにつくのか分からなくなります。

(よくある偽サイドバック)

生駒1人に相手が1.5〜2人引きつけられる→そのスペースで攻撃

22生駒は3人の真ん中に立って、相手72が見る(=中央が空く)なら10森田と20國武で勝負、相手6がついたら、生駒でつり出す(=7田村亮で勝負)という作戦なんですがでしたが、相手はそもそも何もしません。

(今日の生駒)

生駒に誰もマークがこない

投入後の20分くらい、自由にプレーしてチャンスにも関わってます。「危険な状態なのに対応できない」はよく見ますが「何もしない」というのは非常に珍しいです。

 

1点目

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青、相手18をよく見てください。

相手18は10森田につりだされて(というほど動いてないけど)、広いスペースで20國武にプレーさせてます。20國武に限らず、こんだけノープレッシャーなら、なんでも出来ます。

20國武のヒールパスがおしゃれ(解説の人のセリフ)ですが、この縦パスも、相当おしゃれで攻撃的です。敵の弱点を突いて決定機を作る、あとはフォワードが頑張って10回に1回点を取る。J3は国内3部なので、得点よりも、チャンスを作った回数を見るべきです。

 

うちは前線のタレントやアイデアで圧倒するチームじゃありません。拍手するなら、最初のクサビ。國武とタムショーはおまけ、応用編です。

あとは得点王に任せましょう。タムショーは手の届かない場所へ行っても、奈良のことを忘れないでほしい。

 

もう二回くらい見てください。

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2点目

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相手ボール(パスミスというほどじゃない)を、14望月、18後藤をインターセプト。

14望月がボールを奪取。相手72はフル出場(しかも他の2人の分まで走っている)ので、狙われるのは仕方がない。72は結構いい選手です。

あとは14望月がシュートまでいきます。相手18の動きをみてください。

追いかけてカードで止める、タックルしてシュートブロック、どちらも十分できたと思うんですよ。ボランチは1人しかいないんだから、それくらい要求されます。下のカテゴリでこういうプレーをすると明日から速攻で外されます。やるべき仕事をやりましょう。

 

あと2回くらいどうぞ。

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大黒マジックの正体

「戦術」というとかっこよく聞こえますが、22生駒の投入は、「うまくいってないところを修正して最初の1点を取る策」で、使う選手もやらせる仕事も、定石通りです。というか、3点差をひっくり返すような魔法のような戦術は、世の中に存在しません。

 

逆に大分が何もしなかったのは、戦術浸透度やサッカーIQの問題以前に「中盤がほとんど動けないので、やりようがない」というのもありました。スタミナ面です。

 

そもそも、大分は「ハイプレスがうまくいってる」と考えてました。

 

奈良クラブのパス回し。うちのサポーターなら、後方のパス回しで致命的なミス・失点をするシーンを何度も見ています。「点は取られてないし、これくらいのプレスなら、やらせておけばいい」とみなさんも思っていたんじゃないでしょうか。もし0-0なら「70点の出来」だし、0−3でも「まあまあ」でしょう。

 

うちは今年一番のパス回しで、技術で相手を翻弄していました。守備を続けるだけで相手にダメージを与えることもあります。相手がボールをもっていても、実質的に攻撃できてることはありますので、そういうシーンがきたらまた紹介します。

 

二つ目の理由は、大分がプレスをやめなかったことです。前線の二人(9、17)はクオリティが高く、ハイプレスも高い強度でできています。ただ、2列目・3列目の約半分が動けない人たちなので、ハイプレスで上下動を繰り返すと、バテてきます。プレスをやめる(ブロックを敷く)か、自分たちがボールを持つか、休憩する時間が要ります。

 

奈良はロングボールをあまり蹴らないので、守備になるたびに延々とプレスをかけ続けることになって疲弊します。後半50分に、相手CBのうち2人が同時に転ぶ場面がありました。最終ラインのキーマンが、この時点でどちらもスタミナ切れです。

 

紹介していませんが、後半にFWが2枚変わったあと、プレスをかけるたびに交わされ、空いたスペースを奈良に使われる場面が何度もありました。フォワードの技術(プレスを交わされる)の問題もあるのですが、「今がプレスをかける場面か」の判断がおかしかった。

 

コンパクトな5バックで上下動するより、引いた5バックで中を固める方が、まだましだった気がします。といっても中盤3人が死んでたので、中が固まらず、くさびを通されてずっと混乱していたでしょう。

 

「やめる判断」はピッチ内からはわかりません。監督が指示をしてあげないと。

↑言い忘れましたが、現地観戦でした

 

攻撃的な手、守備的な手

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22生駒が上がった(=後ろの人数が減る)分の守備はどうするのか?攻撃に振れば、守備が手薄になります。生駒のいたはずのスペースをどう守ったのか?

 

「失点したからうまくいってんかったんだ」と記憶が上書きされてますが、そもそも「サイドの連携で崩される」こと自体が、失点シーン(3回)を含めて4〜5回しかありません。「サイドをえぐられるシーン」をなくせば、「サイドを崩される」もなくなります。サイドバックは、引いてはだめ、もっともっと前に上げる。なら、相手のサイドバックはあの位置までこない。これが正解でした。

 

「そんなんでいいんか」という声が聞こえてきますが、サッカーの戦術ってそんなものです。問題が起こっている箇所と、解決方法は、一見かなり離れています。

 

もし「大黒マジック」というのが存在するなら、「作戦が上手くいってるか」の判断の方です。作戦で一番難しいのは、やめどき。せっかくプランBを用意してても、切り替えられない、切り替えるタイミングを間違えて負けるチームはたくさんあります。

 

また、持ち駒がないと策を打てません。戦術眼があっても何もできません。この試合も、2高畠の交代要員が40吉村なら、打つ手があまり機能せずに3点差で負けていたかもしれません。22生駒を攻撃要員に育てた、アタッカーに変身させたのは大黒さんです。

 

大黒サッカー総括

大黒監督のサッカー、見ての通りです。徳島戦、新潟戦、富山戦、大分戦を見て、解任を主張する人はいなくなりました。結果で黙らせるのが、プロとして正しい姿。いいですね。人間的には大嫌いですが、勝たせる力も育てる力も、次元が違う。

 

次の1シーズン乗り切れば、ビッグクラブへ引き抜かれるでしょう。

 

参考

www.jleague.jp

www.oita-trinita.co.jp

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