奈良クラブを見守る新米サポーターの日記

大阪在住、奈良クラブサポーターの観戦メモ。2019年から応援しています

得点の鍵:田村の活躍と奈良の一体感(ホーム・Y.S.C.C.横浜戦)(2024年第20節)(24.7.7)(155)

奈良1点目・田村

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SSの陣形は3421。3バック、最終ラインは3枚です。

 

180センチ越えが、CBの真ん中、5大嶋だけ。184cmパトリックのマークは基本的に5大嶋です。3CBだと真ん中の選手が一番能力が高い(気がする)ので、身長がもし釣り合わなくても、エースストライカーの担当になったんでしょう。

 

5鈴木大誠がロングフィードの構えを見せると、白5が15パトリックにつきます。白5(パトリック担当)と白3の間にスペースができ、そこで田村が受けます。

 

田村オフサイド破りをしたというのが普通の発想ですが、YS横浜はラインを(ゴールラインと並行に)そろえるのをやりません。最終ラインが白33(WB)だけで、白3・白5と連動していないように見えるので、もっと単純に「間で受けた」のかもしれません。

 

スペース自体は広かったので、キーパーさえ交わせばあとは楽です。追いついたのは白3、パトリック担当の選手でした。

 

ちなみに1点目、2点目ともYSのキーパーは前に出て失点してますが、どちらも「飛び出して正解」だと思います。ディフェンスが前に出ると、どうしてもキーパーの目の前にスペースができます。引いてフリーで打たれるより、キーパーもチャレンジして、前に出た方が、止める確率が高い。守備も攻めです。

 

もう一度どうぞ。

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奈良2点目:パトリックヘディングから岡田優希

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YSの陣形は3421。3バックです。奈良がずっと狙ってたのは、3バックの両脇のスペース。構造上、最初から空いてます。一人走らせると両サイドのCBが出てくるので、ゴール正面の陣形が崩れます。

 

今回は、15パトリックに向けてボールを飛ばしてきたので、中央のCB(白5)が前に出て、残り2枚で最終ラインを埋めます。2枚のCB(白2、白3)は基本的に「内を締める」動きをします。内側を抜かれると、ゴール正面でキーパーと1:1になります。意識は内側7、外側3(かもっと内側重視)で、動きも内側に向きます。なので、元々空いてる外側がもっと空きますし、誰か走ってきてもすぐに反応できません。

 

もう一度どうぞ。

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次は43田村を誉める番です。

 

白2、白3から見てむちゃくちゃ邪魔な場所にいて(白2、3の間かつ正面)、白3と白33の間のスペースに向けて走ってます。この局面は、31岡田の場所だと1:1、43田村まで広げれば2:4です。43田村1人でディフェンダーを複数名止めてます。田村にボールが来たら、1:1になっていました。映像をどうぞ。

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1点目のゴールより2点目の動きの方が僕は好きです。だれか「2点目ランニングのコース取り」コメントを取りに行ってください。

 

田村はこういう動きがうまい。「ボックス内のポジショナルプレー」というんでしょうか。FW1人で複数のDFを邪魔する立ち位置・動き。ストライカーの動き(点を取る動き)とは微妙に違います。昨年からJ3は結構見てますが、この動きをできる人はリーグで10人もいないと思います。

 

参考までに5月のホームFC岐阜戦。合わせる・詰めるというよりは、純粋に相手の邪魔をしてます。念のために書きますが、最上級で誉めてます。

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1失点目・YSサイドからのクロス

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得点が生まれた理由は3つ。ゴールを決めた選手(7菊谷選手)のファインプレーが1番目。2番目は奈良クラブの守備システム、3番目は、チーム方針にしたがって動いた43田村。

YSは左サイドへパス(奈良クラブから見ると右サイド)

WB・白33がライン際まで広がっていて、そちらへパス。40吉村はボックス内、ゴール付近まで戻る(4伊勢と2:1で相手選手を見るため)

 

ボールを持った人間につくのは43田村。左SHなので、相手のWB、SBあたりの担当になります。

白3が走り込んでポケットを取りクロス。よく見る作戦です。43田村は離れた場所に立っているだけで、何もしていません。

 

ボールを取りに行け(=失敗したら抜かれる)とは言いませんが、ディフェンシブサードでは体を寄せる、プレッシャーをかけるのをずっと続けてきました。最近になってプレスをやらなくなりました。クロスを上げる選手がノープレッシャーなら、いいクロスが上がります。

白3のクロス。調べて初めて気付きましたが、この選手はセンターバックです。3421の左CB。WBと入れ替わってここまで上がり、ポケットからクロス。SBが本職だったんでしょうか。

もう一つ、白7のマークを外す動きが非常に上手い。去年までいた浅川を思い出します。

ヘディングも高く、美しかった。この得点シーンだけをみたら、YSのファンになると思います。もう一度どうぞ。

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2失点目 YSセットプレーから

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右利きのキッカーなので、アウトスイング。ゴールから遠ざかる向きにカーブします。

22生駒が触るがクリアできず(マークがきついなか、よく頑張った)

5大嶋が押し込んでゴール(こっちもすごい)

ターゲットが3枚いて、手前から(1)白9がエースストライカー、(2)白3はセンターバック、一番奥が(3)白5、センターバックです。(3)白5がゴールを決めました。

 

ここで書くと怒られると思いますが、YSはキッカーがよくありません。それまでのセットプレーもバラバラで、ターゲットがよく分からないシーンが多かった。

 

ただし今回は距離もあるし、精度が求められる場面ではありません。一発で決まらなくていい、ギャンブルプレーで構いません。アバウトに蹴って、こぼれ球を回収する方を頑張りましょう。

(1)白9が飛び込んで届かず、

(2)白3は5鈴木大誠にマーク(ブロック)され、

(3)白5がゴール。

 

予想ですが、一番手前(白9)に合わせようとして届かなかったんだと思います。白9は奈良の選手にぶつかってるので、キッカーだけのせいではないです。

話は変わりますが、白2がオフサイドではないでしょうか。白2番。オフサイドの基準は5鈴木大誠。

 

もし白2がオフサイドなら、オフサイドポジションの選手が22生駒を邪魔してクリアでさせなかったので、ノーゴールです。ゴールシーンをもう一度流しますので、オフサイドに注目してください。興味がない人は、この先しばらくパスしてください

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(判断する要素)

1)白2の立ち位置がオフサイドか

2)白2がプレーに関与したか

映像だと白2がかなり前に出ているように見えます。ただ、ゴールに近づくほどラインの傾きがきつくなる(ので消失点を取らないといけない)ので、右左・手前奥の判断をするのは技術が要ります。

 

1)白2が最初にオフサイドポジションにいたか、副審が見えてますし、その情報は主審にも伝えています。白2がオンサイドなら、今回の記事はここで終わりです。もしオフサイドポジションなら、次に進んでください。

2)クリアしようとする選手と白2が競り合い、接触しています。関与しています。ただ、「関与はしているか(事実)」と、「それを審判が見ているか(認知)」、「審判が”プレーに関与してた”と判断するか(解釈)」はそれぞれ別の話です。

 

主審・副審から「生駒のワンタッチ」「生駒、白2の接触」の両方が見えていない可能性があるということです。白2がオフサイドポジションにいた、が前提です。

自作のオフサイドライン(攻撃側が赤、守備側が青)。素人仕事なので、おそらく間違いです。5大誠がはっきり見えない、この映像からオンサイド・オフサイドは判断できません。作業用タブレット上で1ミリずれると、逆の結論になります。

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僕はオフサイドシーンもファールシーンも、「巻き戻して見直す」という作業を相当数やっています。このシーンは何十回も見直しましたが、オフサイドでゴール取消といわれてもおかしくないプレーでした。少なくとも中継映像からは。

 

これがもし、ホームのゴール裏(奈良ベンチの側)で起こっていたら、「ふざけるなオフサイドだろ!」と一騒動になる案件だと思います。念のために言いますが、際どいプレーなので、結論がどっちになっても構いません。言いたいのは、「一方から抗議がくるくらいの微妙なプレー」だ、ということです。

 

ちなみに大誠と下川はオフサイドアピールをしてます。この位置関係なら抗議してもどうせ覆りません。それよりも、他のメンバーと意思統一をして全力で勝ちに行く方がもっと大事です。あと生駒。主審を見ていたので、ファール(競り合い中に腕をつかみ合いしてた)だと思ったのでしょう。あれくらいではファールを取りません。

 

感想

見直したら、思った以上に際どい勝負だった。

 

YSの2点目、オフサイドの話。「際どいプレーだった」「本当におしかった」と理解してもらえれば、説明した甲斐がありました。シーズンの成績が成績だし、失点のタイミングが悪い(後半75分にまた追いつかれた)なので印象が悪いでしょう。「失点してしまったけど、これを非難するのはちょっとかわいそうか」というのが現在の感想です。

 

僕はセットプレーとレフェリングは多少詳しいので分かります。このチームは、「セットプレーに弱い」「後半75分以降に失点する」という弱点があるのに、何の対策もせず、毎試合同じ失敗を続けるような愚かなチームでありません。チームはできるだけの対策をし、選手はギリギリのプレーをして、ギリギリのなかのラッキー・アンラッキーで、結果が出ています。2-1で逃げ切ってた確率、数十%はありましたよ。この試合

 

人間、分からない部分はどうしても結果だけで判断しがちです。ここまで読んできた人は「今回の失点シーンについては」温かい目で見て欲しいです。あとは自分の感じたままで構いません。いいならいい、つまらないならつまらない、弱いなら弱い、感じたままです。

 

最後にもう一つ。昨年度のYS横浜のチーム人件費は1.13億円、奈良クラブは1.63億円。ざっと1.5倍です。今年はもっと差が広まってます。負けた時(勝てなかった)だけ貧乏のせいにするのは最高にダサいです。

 

リンク集

note.com

www.jleague.jp

sporteria.jp

www.sponichi.co.jp

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(24.7.15追加)

www.football-lab.jp