試合全体
本格的なパスサッカー同士の対決は見応えがありました。
結果は1-2。前半は福島ペース。後半は奈良クラブがペースを掴んだ。中央を閉め、相手が根負けしそうな時間帯にミスで失点。勝てた試合だとは思うけど、今日は力負けだろう。福島はいいチームですね。簡単には勝たせてもらえない。
— th (@yikc3760) 2024年5月8日
福島戦のゴール期待値は0.99。0.99点相当のチャンスなんで1点とれれば上々です。効率がいい試合だと、0.3ごとに1点取れます(FC今治戦は0.84=2得点)
中2日・スタメン変更は2枚(賢星→神垣、宗太朗→國武)。ほぼメンバーは固定だけど、足は動いていた。
序盤のパスミス・トラップミス。足元の怪しい人(澤田・岡田慎司)以外も苦しんでた。後ろ5人が固定・中2日で疲れてたのはもちろん、芝の状態を掴めてなかったように見えた。
福島の攻撃を見てると、キラーパスを通して前の2~3人で点をとる構成らしい。このシーンでも人数をかけてない。あまりパワープレーに向かない編成だし、リードしてボールを持てれば楽ができた(先制された時点で無理だ)。
得点
福島はCB・GKにプレッシャーをかけるのが基本。ボールを持ってる澤田に、一人プレスがきます。
山なりのボールで、一人(左手前にいた下川)飛ばして、相手の頭の上を越えるパス。31岡田優希に通ります。
奈良クラブでは初登場ですが、ハイプレス対策で結構使います。この試合も、GK→SB(生駒・下川)(=CBを一人飛ばす)で何度か使ってました。1失点目の嫁阪のパスは、これを失敗しました(パスの質が同じ)。
福島は4バック。右SBが上がり、岡田優希の対応へ。後ろは3枚。
15パトリックは、上がったSBの裏を狙います。ゴール正面の國武は裏抜け狙い(パスを出す方向を指示してる)。
パトリックに1人釣られ、國武の指さす方向にスペースが出来ました。そして正面は2:2に。
裏抜けが綺麗に決まった。國武のランがすばらしい。あとはキーパーと1:1。
もう一度どうぞ。ちなみに國武の利き足は右足。シュートを打ったのは左足です。
1失点目
25神垣から39嫁阪にパス。39嫁阪には28鈴がついてきます。25神垣は右(生駒)にパスするよう指示。
この試合、39嫁阪に出すと28鈴が、31岡田優希に出すと3松長根がついてきて、前向きにプレーできなかった。二人とも低い位置に来て繋ごうとしても、ボールが前に進まない。神垣・掘内まで運べば、後に人がいないのでやりやすいんだけど。
39嫁阪は25神垣にボールをパス。
22生駒に戻すと安全だけど、またキーパーまで戻ってやり直しになる。ミスしなければ神垣へのパスでも構わなかった。
さっき紹介した、浮き球・山なりのパス。パスミスになって、ボールは相手に。
予想ですが「自分と味方の間に敵選手=浮き球のパス」というのが頭にあって(誰にパスすればいいかを考えずに)浮き球パスを使ってしまったのではないか。前から練習してたと思うけど(そもそも中2日では練習できない)、新しい必殺技は「技の完成度」より「どのタイミングで使うか」の判断の方が難しい。
マイナスのクロスから押し込む形。ハイプレスからのショートカウンター。オウンゴールにはなりましたが、非常にいい攻撃でした。
もう一度どうぞ。
2失点目
17針谷、うっとおしかったですよね。14大関と共に福島のパスサッカーの心臓です。14大関が飛び出すのは、プラン通り。このシーンも結構な距離をスプリントしてます。
(福島14大関)
2列目の選手が飛び出していくというのは、この試合に入るに当たってのチーム全体の共通認識でした。
【公式】福島vs奈良の試合結果・データ(明治安田J3リーグ第13節:2024年5月6日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)
49下川がつきます。
ラインギリギリでボールを残す。14大関は高卒2年目。川崎フロンターレからレンタルで新加入です。
3澤田がつきます。切り返してここまで持って行って、枠内にシュート。
3澤田が1:1でついてるのに、なぜシュートが打てるのか。14大関は178cm60kg。CBが当たり負けするように体格じゃない。ノーファールで守ろうとして遠慮したか。
結果論になるけど、うまくシュートの邪魔をすれば、防げた失点。福島は人数をかけてない(ボード上の5人以外、間に合わない)し、10と7はカバーできてるので、14をどうするかだけです。
(1)賢星が14大関に寄せる シュートを打たせないため。スライディングをすればボールに触れる位置。2・3歩近づくだけでも、だいぶ邪魔になった
(2)賢星がシュートコースを消す
(3)大誠がシュートコースを消す
→どちらも、1mくらい矢印の方向に詰めてたら(そうすると、5大誠の前に相手10が飛び込んでくるので別の問題が)
「ボックスまで戻る」は出来てます。人数は足りてます。次は「シュートを打たせない・打ちにくくさせる」のと「戻ってきた選手の配置」だ。
もう一度。
福島サイドから見える風景
ロッカールーム動画が試合前・ハーフタイム・試合後の3点が揃ってた。J2経験のないクラブでは珍しい。
実況の裏側をおさめました📸
— TUFテレビユー福島 (@tuf_hensei) 2024年5月6日
《みどころ》
🔥ハイタッチしたい遊佐さん
🔥ハグして勝利を喜ぶ井上アナと遊佐さん
🔥そんな熱いふたりのそばで
冷静に番組を支えた浦部アナ#福島ユナイテッド ㊗️三連勝 pic.twitter.com/RoOCnvihFL
名物実況アナウンサー・名物解説者が生まれるのは当分先。奈良クラブタレントや応援アイドルも。うらやましい。
動画で勉強させてもらいました。1時間くらいです。見てて思ったのが、敵味方で解釈がだいぶ違うこと。味方のプレーは解像度が高いけど、敵のプレーは詳しくわからない。対戦競技なので、ダメ元のプレーや意図的にミスを誘ってるプレーだと、尚更です。
鈴木大誠・ゲームキャプテン
ファンが奈良クラブに求めるのは、もちろん「勝利」だ。でも勝負事だから、勝てない試合もある。負けたときに大事なのは納得感。できることはすべてやった、チーム一丸となって戦った、最後まで走り抜いた。そういう姿を見て、もっと応援しよう、一緒に頑張ろうと感じます。スタンドのファンは。
大誠は前節から、士気を上げるように意識的に振る舞ってる。ハイライトに載ってる分から探しました。
GKがナイスセーブの後は、かけよって激励
オウンゴールの選手はすぐに立ち上がらせ、次のプレーに集中
シュートを外したらすぐ立ち上がり守備に備える
失点後はボールをすぐに拾い、次の攻撃へ。
ここから先は前節(FC今治戦)。ピンチを脱したらキーパーとハイタッチしてるシーン(×3)。
ハイライトには入ってませんが、エリア内のクリア・セーブはほぼ全部ハイタッチをやってます。ボールに対するプレーではないけど、勝利への執念を感じる、素晴らしいプレーだと思う。
いままでのキャプテンは、背中で・プレーで引っ張る選手が多かった。でも、内に秘める闘志は外から見えない。プレーが冴えないときは伝わらない。完敗したときは、リーダーシップを取らずに負けたように見えてしまう。
鈴木大誠選手に接する機会のある方は、ぜひ“この部分”へ声援を送ってください。ファンに見られてる・評価されてると伝わるだけで、もっと頑張れると思います。部活のトーナメントのノリなので、相当無理しないとできないと思います。それに個人成績に出てこない部分。こういう「キャプテン」が好きなら、積極的に応援しましょう。
地元・奈良出身のキャプテンがチームを引っ張る姿、もっと見たいですよね?
最後に
次のレビューはFC岐阜戦(5/19土)になります。天皇杯(県予選→京都府代表)は行かない&映像が手に入らないのでパス。現地観戦された方にお任せします。
春の連戦、中2日もこれで終了です。第13節は、今年だと5/6、去年は6/11。開幕時期が違うといえど、日程を詰め込みすぎだ。水曜18時開始の岩手戦(1点差を逆転負け)→土曜松本山雅(2点差を追い付かれ引き分け)の2試合、これと翌々週ルヴァン(0−6)を入れて3試合がきつかった。
我ながら頑張りました。また感想や励ましをいただけると嬉しいです。いつも上手に返事できてませんが、ちゃんと読んでます。
リンク集
(以下、24.5.10追加)
J3第13節レビュー
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
#福島ユナイテッド🆚#奈良クラブ
2-1福島勝利
⚽️前半: 4-4-2 vs 4-3-3 プレスとビルドの応酬
前半は両チームが4-3-3を採用しながらも、プレスとビルドアップで明確な違いを見せ、互いに主導権を握ろうとする戦術バトルとなった。 pic.twitter.com/3pb94ungJO
2/
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
⚽️奈良: 4-4-2への可変システムで2CBにプレス
奈良はIH⑳國武選手が前進して4-4-2に変形し、2トップで2CBに積極的にプレスをかけた。
⚽️福島U: クロースロールとピボーテの配置で奈良のプレスを攻略
一方、福島Uは4-4-2の2つの弱点を突いて優位性を見せた。
1つ目は、IH⑭大関番選手や
3/
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
⑰針谷選手がCBの脇に降りてボールを引き出す「クロースロール」。奈良の2トップがプレスに飛び出すと、空いたスペースに降りてボールを受け、攻撃の起点を作った。
2つ目は、ピボーテに入った上畑選手が相手2トップと2ボランチの四角形の中でボールを受ける動き。ここで受けることでパスコース
4/
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
は3つ生まれる。奈良のプレスを掻い潜り、攻撃の起点となった。
福島Uは3トップでプレスをかけ、WGがSBへのパスコースを切りながらCBにプレスをかけることで、奈良のビルドアップを寸断。ショートカウンターからチャンスを作り、1点をリードして前半を折り返した。
5/
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
⚽️後半: 風上の利を生かした奈良の攻勢
後半に入ると風が強くなり、試合展開が変化。風上に立った奈良は対角フィードとアーリークロスを駆使して攻勢を強める。福島Uは最近見せるようになった低い位置でのビルドアップからの疑似カウンターを試みるも、強風でボールが押し戻される苦しい展開を
6/
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
強いられた。
しかし、福島Uは粘り強い守備で奈良の攻撃を凌ぎ、大関選手の裏抜けから追加点を奪い、2-1で逃げ切った。
⚽️風に苦しみながらもビルドアップの進化が見られた福島U
強風という厳しいコンディションの中、福島Uは持ち前のパスワークと戦術的な動きで奈良を撃破した。特に、4-4-2
7/
— りーすけ⚽️Football Beginner (@Itsukin10257375) 2024年5月9日
の弱点を突いたビルドアップは、今後の更なる飛躍を期待させる内容だった。
これで3連勝と好調を維持する福島U。次節も勝利で勢いに乗りたいところだ。