後半のシステム変更
ハーフタイムに相模原は2枚替え。
4231から352に修正し、これが大当たりでした。
数字で言われてピンとくる人はほとんどいいだろうから、
たまには戦術ボードで説明します。
後半開始時のフォーメーションです。
2列目の2人(外国人/外国籍?、チームの司令塔)を削って、
MF24牧山、CB2加藤(大)を投入。
この時点で0-1。1点ビハインド。
削った2人はチームの中心選手。
MF22佐相は全試合出場、一番早く交代したのが後半44分
MF11デューク・カルロスは川崎フロンターレU18→J2岡山→レンタルの旅→2023年完全移籍。
あまり結果は出てないが素材的にはJ3でトップクラス。
交代の時点でスタンドがざわついてたのも中継から分かります。
相模原は352の「5」、両SBを
奈良ボールになる度に奈良SBにチャージさせます。
奈良クラブ2点目以降、この形が繰り返されます。
守備的な3バックだと、両SBが下がって5バック。
守りを固めてカウンターの形。
奈良クラブ(ボールは持つけど決定機がつくれない)相手に結構効きます。
2トップと、上がってきた2SBの4人で
奈良クラブの4バックを1:1で押さえることになりました。
11加藤(徹)は元々前に運べないし、
33寺村が、相手8橋本のチャージで前を向けない。
ビルドアップが手詰まりに近くなります。
相手が攻撃的3バックだと、人数が4人から3人に減ってる。
後ろに人がいないから守備力が下がるんじゃないか?
奈良クラブは、SBが後を向くと3トップのうち2人が下りてきます。
相模原のSB2人が上がると、奈良クラブのFW2人も自動的に下がってくるので
前線の人数は変わりません。
相模原の防御力ダウンと奈良クラブの攻撃力ダウンが相殺される。
損なのか得なのかはよく分からない。
こういうの「コンパクトな布陣」と何度も聞いたし、なんか格好いいんだけど、
ボールを繋ぐことを優先して、点を取らないといけない人が”いてほしい”場所にいない。
奈良クラブは39嫁阪にボールを渡して、左サイドのコーナーまで運ぶかが
生命線です。よく使うのは、33寺村から39嫁阪への対角線のフィード。
で、効いてくるのが途中出場の2加藤(大)。ヘディングが強い。180センチなのに。
寺村が前を向いてプレーできない上に、ハイボールを入れても
ヘディングでクリアされる。けっこう辛い。
カギを握るのは、中盤3人の連携。
中盤も3:3なので、10人が10人全員がかみあってます。
個の力だと奈良クラブは勝てません。連動した動きが命です。
失点後(奈良2ー1相模原)のシステム変更
14中島(賢)→20片岡爽、16西田→19酒井です。
16西田の運動量が落ちたのでCFに19酒井を入れて29浅川を右に、
14中島は元々運動量が少ないのと位置取りがいまいちなので、
動けて立ち位置がいい20片岡爽に。
この時点でCB伊勢とSB都並を入れたらたぶん勝ってた。
(あくまで後付の解説)
アンカーが1人のときは、両サイドのスペースを攻めるのが基本。
後半は、片岡・寺村・可児の間のスペースに走り込むシーンが目立ちます。
(逆サイドもかなりやられてる)
— th (@yikc3760) 2023年7月21日
— th (@yikc3760) 2023年7月21日
(画像はクリックして拡大してください)
賢星のヒートマップが可児とほとんど重なってる。
適切な位置を取れてない(だからすぐに交代した)。
— th (@yikc3760) 2023年7月21日
だいぶましになった。
なったけど、相手両SBともスピードタイプなので
一度マークが外れたらそのままバイタルまで持って行かれる。
システム変更への戸田監督のコメント。
面白いので会見の様子をご覧下さい。
外から見てるより、もっとシンプル。
「相模原のチーム作りを評価するフリアン監督」についてコメントする戸田監督。
よく聞いたな、この質問。
失点シーンの解説
1点目:決めた選手がすごい
動画再生位置を調整してます。指定した箇所から再生されます。
ルーズボールに
真っ先に反応したのは相模原の選手。
リアクションがすごい。
2点目:これは監督のせい
右サイド、なぜかフリーの選手が。
正面には5人。被ってる
右のタッチライン際から内側に切れ込んでくるパターン
マイナスのクロスにドンピシャ。
滞空時間の長い、すばらしいヘディングシュート。
3点目:先に触れれば決勝点
(奈良クラブのミスで)相模原のスローインに
弾んだボールがターゲットを超え、競り合いに
ゴールラインを超えた?ゴールキック?
この時点で、右の丸、相模原の選手は奈良DFの後にいます。
相模原がゴールライン上で折り返した瞬間。
相模原8橋本と奈良33寺村は同じ位置
ぶっちぎられて押し込む。決勝点。
1点目と3点目、形は違うけど同じ能力を使ってる。
相模原はこういうシチュエーションの練習をしてるの?
対策
寺村は元々守備が良くないし、攻撃で機能しなかったらすぐ変えた方がいい。
両SBがやられ続けてるのに、なんで最後まで引っ張ったんだ。
(86分に交代)
13都並は1:1での守備は強いし
ビルドアップが詰まってたらキーパーからのロングボールで対応したらいい。
CBを1枚入れて堀内をアンカーにすれば、目先の問題は解決する。
DF4枚へのプレスがきついので、伊勢だとボールロストするかもしれない。
そして、ビルドアップ機能しない問題は、次節以降へそのまま持ち越し。
SB8橋本がスピードタイプ、27が運動量タイプ。
左サイドが攻撃の起点となり、右ウィングの浅川がいつになく疲弊してた。
(浅川が足をつる場面、初めて見ます)
あと、CB4山下。足下がかなりうまいです。
前半に浅川がチャージをかけたときの対応は、今季見たCBの中で屈指でした。
山下はベガルタ仙台ユース→拓殖大(主将)。
相模原は若手有望株タイプを集めてる。
監督も3年契約だし、来年あたりに化けるかもしれない。
まとめ
時間の関係で、前半の再視聴はカット。
後半戦を2回と全ゴールシーンを見ました。
負けるべくして負けた、相手が強かったの一言です。
相手の8橋本、いい選手だなあ。
それと主審の安川公規さんもよかった。
リアクションが素晴らしい。J3にはもったいない。
「去年のJFL最優秀審判です」と説明する実況の小林惇希さんもすごい。
後半のシステム変更もマークも細かく解説されているので
実況だけ聞き直すのも勉強になります。
これで18節。前半戦終了まであと1試合です。
いまのスタイル・更新頻度でブログを書くのは、次回で最後になります。
間違いだらけのブログに5ヶ月間お付き合いいただき、ありがとうございました。